慶應義塾大学 理工学部 機械工学科

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学習教育到達目標

学習到達目標概要

慶應義塾は1858年以来、「気品の泉源」、「智徳の模範」を目指す学塾として、 「独立自尊」を体現する人材の育成を行ってきました。 機械工学科においても、この精神のもと、自らの力で世界を先導することのできる創造性と総合力のある技術者・研究者の育成を目指しています。すなわち「実体験の重視」「基礎の重視」「個性の重視」「コミュニケーションの重視」のもと、 機械工学の基盤である力学体系を理解するとともに、技術者倫理を踏まえ、地球環境・社会環境も視野に入れた総合的な現象解明や創造的な設計・もの創りを行う能力のある技術者・研究者の育成を行うことを学習・教育到達目標とし、 時代の要請に応える人材の育成を行なっています。

学習・教育到達目標

(A)
基礎的な理解
(A-1) 数学、物理学、化学、生物学などの自然科学の基本を理解していること。
(A-2) 機械工学の根幹をなす力学体系に関する基本理論を理解するとともに、これを問題に適用して理論解析できる能力を身に付けていること。
(A-3) 機械工学の基礎となる設計法・加工法の基本を理解するとともに、設計目的や加工法を考慮して設計を行える能力を身に付けていること。
(A-4) 幅広い教養(多様な文化、歴史、経済、福祉等の問題を理解する能力)を身に付けるとともに 、機械工学を取り巻く技術者倫理問題、地球環境問題、社会環境問題の基本を理解していること。
(B)
現象をモデル化し
解析する力
(B-1) 機械工学の基盤である力学体系に即した現象のモデル化手法および数値解析法を理解するとともに 、実際に解析する能力を身に付けていること。
(B-2) 機械工学の基盤である設計法に関し、計算機援用設計法・加工法・解析法(CAD、CAM、CAE)を理解するとともに 、実際にこれらを用いる能力を身に付けていること。
(B-3) 機械システムなどの人工物を、様々な設計目的、設計条件(地球環境問題、社会環境問題 、製造者責任、経済性などの環境条件を含む)のもとで適切に設計するための、総合的な設計問題モデル化能力を身に付けていること。
(C)
問題発掘力・創造力
・遂行力
(C-1) 地球環境問題・社会環境問題・技術者倫理問題も含めた幅広い分野に関する実態や動向について調査し、問題を発掘する能力を身に付けていること。
(C-2) 演繹的、帰納的、仮説的な推論を繰り返しながら、問題解決のための合理的な方策を考案あるいは創造する能力を身に付けていること。
(C-3) 問題解決に至るプロセスを、自主的に、あるいは他者との協働により遂行し、結果をまとめることのできる能力を身に付けていること。
(D)
表現力
・コミュニケーション能力
(D-1) 実験,解析,設計,研究の経過や成果等について、他者に論理的に伝える文章能力ならびにプレゼンテーション能力を身に付けていること。
(D-2) 多様な価値観を持つ他者と議論し相互理解できるコミュニケーション能力を身に付けていること。
(D-3) 英語力の基礎を身に付けていること。また、専門的な内容について英語でコミュニケーションする能力の基礎を身に付けていること。

学習・教育到達目標の特徴

「実体験の重視」

「図形情報処理」「形状情報の表現」「機械工学創造演習」「機械工学デザイン演習」「機械工学総合実験」といった2~3年次の実技科目では、人工物を設計するための発想・企画の段階から 、デッサン、コンピュータを用いた製図、設計したものの作り方・評価までを、実体験に基づく一連の流れの中から学ぶような系統的なカリキュラムを構築しています。(図中の中心の赤い矢印は「実体験の重視」を表現しています。)

「基礎の重視」

応用力は基礎力の上に成り立つという考えのもと、2年次必修科目「材料力学の基礎」「機械力学の基礎」「流体力学の基礎」「熱力学の基礎」により基礎力の充実を図っています。

「個性の重視」

個性・独自性が創造性につながるとの観点から、2年次必修科目「機械工学創造演習」、3年次必修科目「機械工学総合実験」「機械工学デザイン演習」、4年次「卒業研究」では個性の発揮を推奨しています。特に、「機械工学創造演習」のような 、創造力・プレゼンテーション力に関わる科目を2年次に配置しているのは、個性や創造性についての認識とモチベーションを早い時期から育むことを企図したものです。さらに、「機械工学総合実験」では学生の自発的な学習意欲を尊重し、学生自身が実験目的・課題を決めて実施し、実験と数値解析を合わせて課題に取り組みます。また、2年次の基礎科目が必修科目であるのとは対照的に、3年次の講義科目は、個々の学生の興味に応じた選択が可能なように選択科目となっています。

「コミュニケーションの重視」

「図形情報処理」「形状情報の表現」「機械工学創造演習」「機械工学総合実験」「機械工学デザイン演習」といった2~3年次の実技科目や4年次「卒業研究」では、発表やディスカションを通して教員と学生 、学生間のコミュニケーションが十分に行われるように配慮しています。特に、機械工学総合実験」「機械工学デザイン演習」「ものづくりプロジェクト」では学生同士で協議し、課題を解決する経験を通じて「他者と協働するための能力」を養います。

総合教育科目

本塾理工学部の教育理念は、高度な専門性と理工学の広範な学問分野を跨ぐ「学際性」をもち、 かつ「国際的コミュニケーションスキル」と「豊かな教養」をも有する研究者・技術者を育成することです。 このうち、豊かな教養を涵養する役割を担うのが総合教育科目であり、 人間、社会、自然に対する深い洞察力や知力の養成を目的として、約160科目が設置されています。 諸君がこれらを4年間の課程で、知識の深まりと成長に応じて自主的に選択できるようになっています。 また、人間、社会、自然のうち、特定の分野の科目のみを集中的に4年間履修して、 高度なスキルを身につけることも許容しています。

ただし、上記理念の一つである豊かな教養および機械工学科の学習・教育目標(A-4): 「幅広い教養(多様な文化、歴史、経済、福祉、人生観等)」を身につけるためには、 人間、社会、自然の分野からバランスよく履修すること も重要であると機械工学科では考えています。 したがって、当学科所属の学生諸君には、 できるだけ分野に偏りがないように総合教育科目を履修することを推奨します。

参考資料

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