慶應義塾大学 理工学部 機械工学科

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相原剛

機械工学科での2年間というよりも大学生活の4年間の生活を振り返ってみると 、一言 で言ってしまえば何とは無しに廻りに流され気が付けば社会人になったという感覚が あります。勉強や研究、グラブ・サークル活動や友人との交遊そして自分の趣味等、 どれもそれなりにやってそれなりの思い出がありますが、本気で打ち込んだか?とか 何か成し遂げたか?と聞かれると自信がありません。機械工学実験のレポート作成や 試験前の勉強、卒論等では半徹夜や徹夜も何度もありましたが、苦労と呼べる程の事ではありませんでした。

従って苦労や挫折したといった記憶や実感もなく 、4年間という貴重な時間を無駄に 過ごしてしまったという後悔が先に立ってしまいます。良く言えばスマートで無難に こなしたとなりますが、悪くいえば楽をして得る事が無かったと言えます。

入社後火力発電の輸出プラントの担当となり、それ程抵抗もなく適当に英語を勉強し、 そのお陰で会社の制度を利用して海外留学の機会を得る事ができました。米国の留学 先では機械工学科の大学院生という身分でしたが、学生の時にきちんと勉強していな かった事が致命的でした。ただでさえ大量の宿題があり優秀な学生でも相当な時間を 必要とするのに、基礎ができていない私は問題の解き方を苦労して見出した後で、更 に解を出すために数学と格闘しなければなりませんでした。

試験前になると「この教科を落として学位が取れなかったらどうしよう」だとか「学位を取れなかったら恥ずかしくて会社に戻れない」「自分の実力もわきまえず 、留学 なんかしたばっかりに会社を辞めるハメになるのか」等々かなり悲観的になった時期 もありました。それまでろくな苦労もしなかった私が毎日明け方までかなりの努力を 重ねました。そうしていくうちに段々と躓く事が無くなって行き、人並みに授業にも 付いていけるようになり、なんとか無事学位を取る事ができました。

今振り返ってみると 、留学での収穫は勉強した伝熱工学の知識や外国で生活した経験 等よりも、最初はとても無理だと思っていた事を苦労して成し遂げた事によって「自 分はやれば出来る」という自信を付ける事ができた点であると思います。そういう自 信があれば仕事でも何でもチャレンジする事に尻込みする事がなくなり、より自分の 世界を広げることができます。多少の苦労をしても「あの時に較べれば、こんな程度・ ・・」と思い、あまり苦痛に感じることもなく仕事に打ち込む事ができます。もし苦 労も知らずノホホンとした人生を送っていたなら、いつも自分に自信が持てず高い目 標にチャレンジする事もなく肝心な時には逃げてしまうといった非常につまらない人生になっていたかも知れません。

私は30歳近くになって初めてそういう経験を通して自分に自信が持てる様になりまし たが、もっと早い時期にそうなればよかった、大学時代の4年間で得られればよかっ たと後悔もしています。ですから現在学生の方やこれから大学生になる方は、是非何 事でもよいので高い目標にチャレンジして本気で打ち込み、苦労して達成する事によ って「自分はやれば出来る」という自信を持って頂きたいと思います。

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